現金も財布もいらない生活
まさか現金を見かけないとは
中国に来てから四年ほど経ちますが、いろいろと日本と違うこと、予想と異なることが多く、今でも驚くことが少なくありません。
その中で、最初に知り、最も驚いたのがキャッシュレスが進んでいたことでした。
来た直後から現金を見る機会がほとんどありませんでした。店や食堂で現金を出しているのは僕だけ。言うまでもなくみんなスマホでピッとやって払っていたのですが、来てすぐの頃はそこまで考える余裕がありませんでした。
中国の二大スマホ決済アプリ
やり方は簡単で、支払いができるアプリに銀行の口座を紐付けるだけ。僕も中国の携帯番号と銀行カードを作ったらすぐにやりました。
ほとんど全ての店で2種類のアプリが利用可能で、テンセント(騰訊)の開発したwechatとアリババが開発した支付宝があります。wechatは緑、支付宝は青が目印です。
どんな小さな店や屋台にも必ずこのQRコードがあります。また、大きなスーパーなどでは客のスマホを読み取って決済する方法もあります。物を売る側としては、スマホ決済にしなければもはや誰も買ってくれない(買うことができない)状態になっています。
財布もATMも…
これまで現金で払っていたもののほぼ全てがスマホで払えるようになった結果、現金を持つ必要性はなくなっています。
ある授業でふと思い立ち、学生に財布を持ち歩いているか聞いたところ、持ち歩いている学生はほぼゼロ。彼らからしてみれば、中学高校の頃にはスマホでお金を払う社会になっており、現金払いは幼少期の思い出くらいになっているのかも知れません。
僕も最初の2年くらいは財布が手元にないと落ち着かず、カードホルダー状態の財布を持ち歩いていましたが、そのうち面倒になり持ち歩くのをやめてしまいました。
また、教科書にはATMの使い方が書かれていることがあるのですが、今や学生は中国のATMにさえ馴染みがありません。これも気になったので聞いたことがあるのですが、年に数回使う程度という学生が多く、中には基本的に使う機会がないという人もいました。
以前は給料日に行列ができていたであろうATMも、混んでいる様子を見たことがありません。公衆電話のようはことにはならないと思うのですが、これも減っていくのかも知れません。
中国に来る前から変化が速いと聞いていましたが、まさかこんな身近なところで大きな変化が起きているとは思いませんでした。今後もこうした急激な変化があるんでしょうか。楽しみでもあり、ついていけるかどうは不安でもあります。