相部屋文化ー中国の学生寮生活
遅れて来る学生の謎
この仕事を始めて間もない頃のこと。朝の授業で数分遅れてくる学生を見て気になったことがありました。
3~4人くらいが一緒に遅れて来ることがあるのですが、名簿を見るとその出席番号が妙に近い。例えば12、13、14、15番がまとまって教室にやって来る。これが不思議で仕方ありませんでした。
何ヶ月か経って、学生や先生といろいろ話すようになり、その理由が初めてわかりました。一緒に来る学生は寮で相部屋でした。
ざっくりとした部屋割
中国の大学生は、基本的にはみんな学内の寮に住んでいます。実家が地元で、その気になれば家から通えそうなところに住む学生も寮に入っていました。建物は男女に分かれており、同じ学部の4~6人で一部屋を使います(学部によっては12人部屋もある)。
部屋割は専攻、クラス、出席番号を元に決められます。まだ入学前、学校も名前だけではどんな学生なのかわからないのでとりあえず番号順に部屋を割り振るという感じなのでしょうか。
もちろん、全てが番号順というわけではなく、異なるクラス・専攻の人と相部屋になる人もいるし、その部屋が合わなければ移動、交換することもできます。中には学年が上がると日本のように近くに部屋を借りる学生もいますが、あくまでも例外のようです。
単なる相部屋以上の関係
同じ部屋に住み、同じ授業を受けるということは、学生生活の大部分をルームメイトと一緒に過ごすということであり、自ずと人間関係は濃くなるようです。お互い仲が良い部屋では一緒に旅行に行くこともあり、卒業後も気軽に連絡を取り合うものだと聞いています。
もちろん全てが良い関係なわけではなく、必要最低限の会話しかない人もいるし、極端な例では寮を引き払ったその日にルームメイトの連絡先を削除してしまうなんて話もあるんだとか。そこまでしなくてもと思ってしまいますが、一緒にいる時間が長い故に、こじれてしまうと容易ではない場合もあるのでしょう。
この「相部屋文化」は、日中の学生生活の大きな違いの一つではないかと思っています。こちらの大学では寮生活は当然のことであり、中学高校から既にこうした生活の人もいるので、恐らく抵抗はないと思うのですが、実家から通ったり、一人暮らしをすることに慣れている僕からすると大変そうに見えます。自分が学生時代にこうした寮で相部屋生活だったら、上手くやっていけたかどうかわかりません。