中国の年末年始② クリスマス
日本では風物詩のあの光景も…
年末年始といえば正月の前にクリスマスです。日本では12月中旬から街はクリスマスモードになり、12月26日になったら急に正月に切り替わるあれです。
こちらの学生は日本同様クリスマスを楽しんでいるらしく、彼氏彼女がいない人も仲間と一緒にでかけたりしているようです。ただ、中国の大学では恋愛を禁止しているところが少なからずあり(もちろん抜け道はありますが)、いわゆる「性の6時間」的な話は表立っては聞いたことがありません。ともあれ、学生に限らず、若い世代はみんなクリスマスを楽しもうとしているように見えます。
中国政府はクリスマスが嫌い?
しかし中国のクリスマスは、昨日書いた元旦以上に盛り上がりを欠いています。
ここ数年、中国政府は国粋主義に向かっており、これまでよりも西洋の文化に否定的であるように見えます。宗教に関しても宗派を問わず介入していることを考えると、キリスト教の行事であるクリスマスなんて最も相容れないものとも言えます。
それが影響しているのかわかりませんが、以前よりクリスマスの飾り付けなどが減ったように見えます。実際僕が見た限りでは、24~25日にクリスマスの飾り付けをして、ジングルベルを流している店は1軒しかありませんでした。その代わりと言っては何ですが、日本ほどこだわりがないのか、12月31日になってもクリスマスの音楽が流れている店もありました。
クリスマス中止のお知らせ(公式版)
そしてこうした空気を過度に読んだのか、元々そういう人が上にいるのか、遂に広西省(中国の南方。広東省の西隣)の融安県というところの教育部門が幼稚園・小中学校向けにクリスマスのお祝いを禁止する指示を出しました。
この融安県は人口25万の小さな町(中国では一般に市>県)で、この対応が全国に波及することはありませんでしたが、この指示は中国国内でも話題になりました。賛成する人もいましたが、どちらかというとやりすぎではないかと疑問を呈する意見が多かったようです。
日本では大部分の人が宗教行事だなんてことは気にせずにクリスマスというイベントを楽しんでいますが、今の中国では西洋の宗教由来の行事に対してそこまでドライになれないのかも知れません。
それでも、やはり楽しむ機会があれば楽しみたいというのが人情というもの。きっと中国の人はその辺の問題と折り合いをつけながら、毎年12月25日を楽しむような気がします。