愛されない中国代表② サッカーは好きだけど

関心さえ抱かれず

昨日は日本相手にいいところなく敗れ、最終予選で2位以内の可能性がなくなってしまった「国足」ことサッカー中国代表。監督交代後初戦ということで、本来なら結果に対してもう少し議論があっても良いのですが、北京オリンピックの方に気が向いているのか中国内の反応も冷めたもので、失望の声さえあまり上がっていないというのが実情です。

学生も、今日の試合に興味を持っている人は少なかったようで、SNSのタイムラインでの言及は極めて少なく、関心の薄さが伝わってきました。

サッカー自体は身近

では、中国の人がサッカーそのものに興味がないのかというと、そうではないと思います。というのも、近所のグラウンドでサッカーをする姿を見かけることは少なくないからです。

また学校には学部ごとのサッカーチームがあり、学期中は勉強の合間を見つけて活動している(女子の多い学部では女子チームもある)し、それ以外でも地元の親子などがサッカーボールを蹴って遊ぶ姿もよく見ます。

中国の場合、サッカーだけではなく体を動かすことに抵抗のない人が多いようです。これについてはいつか述べたいと思っています。

「江戸の大関」にかなわない

ただ、こうした言わば草の根的な人気がプロリーグにも代表にも結びつきません。中国には“中超”(中国スーパーリーグ)という日本のJ1に相当するリーグがあるのですが、これも全国が注目するという感じではありません。

もちろん各チームの地元には熱心なサポーターがいるにはいるのですが、街を挙げて応援しているわけではないのか、コロナ以前からスタンドの入りも今ひとつ。況やその他の地域をや、僕の身の回りでも中超に興味を持っている人はおらず、人気があるようには見えません。恐らく国足も同様で、身近な存在ではないのでしょう。

また、これは日本も同じかも知れませんが、世界と比較しやすいのが関係しているように思えます。特にサッカーは、ネットで簡単に世界最高峰のプレーを見ることができます。親しみのない地元のプロチームより、世界的なクラブを応援したほうが楽しいと考えるのも無理がないところです。

 

相撲の世界には「江戸の大関より故郷の三段目」という言葉がありますが、こと中国サッカーについてはそうはいかないようです。中国サッカー協会は今回就任した李霄鹏監督に2023年のアジアカップに向けた強化を命じたそうです。簡単ではなさそうですが、果たして一年でそこまでのチームになれるかどうか注目してみるのも良いかも知れません。

maelific526

現在中国で日本語教師をしております。 日々の出来事、気になったことをなどを気楽に書いていきたいと思います。

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