鍋を開こう! 中国の中華鍋の扱い方①
鍋は開くもの?
さて、前回は中華鍋を買った時の話をしましたが、今日は買った後の話です。
日本でフライパンや鍋を買ったら、とりあえず軽く洗って使い始めると思うのですが、どうも鉄鍋は少し勝手が違うようで、鉄鍋を最初に買ってやるべきことは“开锅”(開鍋)なんだそうです。
ではこの「開鍋」とは一体何をするんでしょうか。
中国の動画サイト、アプリには、この開鍋の方法を説明しているものがいくつかあります。ここではyoutubeとbilibiliに同じ動画をアップしている游厨冯马迁(遊厨馮馬遷)さんの動画を参考に、開鍋の方法を見ていきましょう。
【youtube】
【bilibili】
著作権の問題で、画面のキャプチャをしてはいけないらしいので、実際の動作については皆さん動画をご覧ください。なお前半1分くらいは鉄鍋についての簡単な説明をしています。
1.鉄鍋を熱する(1:10-)
まずは鉄鍋に何も入れずそのまま火にかけます。中国のコンロは日本より火力が強いので、割とすぐ鍋から煙が出ます。それでも火を弱めず、鍋が青紫または褐色がかった紫に変わればOKです。これを鍋全体がこの色になるまでやります。さらに続けると赤くなりますが、そこまでやると鍋がダメになってしまうので気をつけましょう。
なぜこんなことをするかというと、出荷時点の鍋にはサビ対策の保護膜がコーティングされているので、それを焼くのが目的です。
2.冷却(2:58-)
日本で使う鍋やフライパンと異なり、本当に鉄そのものなので、上記の状態で触ると日本のそれとは比べ物にならないくらい熱いです。そのため、その場に2分くらい置いて少し温度を下げてから鍋に水をかけます。動画を見るとわかりますが、2分後でもまだ水は蒸発します。
3.周辺のやすりがけ(3:23-)
ここで冯さんは棒状のやすりを使い、鍋の縁の部分にやすりをかけます。鉄鍋は出荷時点では使いやすくするための加工がされておらず、縁が鋭利で危険であることが原因です。やすりで鋭さを減らすことで安全に使えるようになります。
4.“百洁布”で中を洗う(3:44-)
先に馮さんは金タワシを使わないように注意しています。金タワシを使うと鍋に模様が入り、焦げやすくなるとのこと。
そこで使うのが”百洁布“、日本語で言うところの「ナイロン不織布」、更にいうと「スポンジの緑色のざらざらした方」です。これで中を洗い、コーティングを洗い流します。
5.再度加熱、油を投入(4:05-)
もう一度鍋を火にかけ、水分が完全になくなるまで熱します。鉄が酸化したことで、このままではサビてしまう危険性が高くなります。
そこで、底に少したまる程度の油を入れます。食用ならなんでも良いようです。油を入れたら鍋を一回りさせ、全体に油を広げます。全体に油が届いたら、その油を器に移しておきます。
6.表面に油を塗る(4:38-)
次に、鍋を洗う専用の刷毛を使って鍋の内側に油を塗ります。そして内部にくまなく塗ったらひっくり返し、5で器に入れた油を鍋の外側にかけ、同じく全面に塗ります。
鍋が熱いうちに油を塗ることで、鉄の表面に油を定着させることができます。
7.仕上げ(5:04-)
最後に洗剤を使い、ナイロン不織布(スポンジの緑色のあれ)で軽く洗い、最後に火にかけて水分を取れば「開鍋」完了、料理に使えるようになります。
買ったばかりの鍋なんてどこ行っても一緒で、洗剤でしっかり洗っときゃ何とかなんだろくらいに思っていたのですが、そんなに簡単な話ではなかったんですね。前回買った鉄鍋も、店がサービスで開鍋をしてくれています。確かに僕のような素人がやったら失敗しそうだし。
この鉄鍋、管理の方法も違うようなのですが、それはまた次回にでも。