今だからわかる2023年の春節のこと

中国の新年=春節

少し前の話になってしまいますが、2月10日に春節がありました。春節とは農暦(太陰暦、旧暦)の1月1日のことを指します。日本語で言うところの「旧正月」というやつです。

中国で「新年」といえば何と言っても春節。1月1日も多少新年っぽさがありますが、春節に比べたら関心は薄く、春節の前座くらいの扱いです。

こちらの春節休みは長く、今年で言えば2月10-17日まで、春節から8日間ずっと祝日(元旦は1月1日のみ)になっております。その代わり、18日の日曜日は振替平日とでも言うのか、平日として扱われました。

風物詩になっている爆竹

春節のお祝いもいろいろありますが、日本との大きな違いは爆竹でしょう。年越しの瞬間、春節の日の午前0時が近づくとみんながそれぞれの場所で鳴らし始めるので、どこからともなく響く爆竹の音がどんどん増えてきます。

ちなみに、春節以外でも事あるごとに爆竹が鳴らされます。聞いた話によると慶弔の度に鳴らす習慣があるんだそうです。ただし音やら煙やらがすごいので、上海など一部の大都市では爆竹を禁止しています。僕が住んでいるところは地方都市なのでこうした規制はないため、恐らく週に1-2回はどこかで爆竹の音を聞いていると思います。

春節前の市場。非常に混むこともあります。

爆竹は華やかな赤い飾りとともに、中国の春節を構成する大きな要素の一つなのでしょう。ある友人が「禁止する地方があるのも理解できるけど、爆竹が鳴らないと“年味”(春節らしい雰囲気)がない」と言っていたのもうなずけます。

コロナと春節

僕は2021年以降、毎年中国で春節を迎えています。21-22年はコロナの影響でいつものように春節をできなかった人も多く、あまり派手な様子もありませんでした。

しかし、コロナの規制から開放された23年は違いました。春節の夜は、文字通り一晩中どこかから爆竹の音が聞こえてきました。音が聞こえる範囲内の誰かが代わる代わる爆竹を鳴らしていたのでしょう。

このこともあったので、今年の春節もさぞやうるさいに違いないと覚悟を決めていたのですが、今年は去年に比べれば静かでした(それでも日本では見られない量ですが)。

一年経って見えてくる違い

なぜなのか考えてみたのですが、もしかしたら23年の春節が特別だったのかも知れません。

中国では20年のコロナ発生以降、22年末頃までゼロコロナ政策で臨んでおり、大規模な移動制限がかかることもよくありました。これは夏休みや冬休みを直撃しました。帰ることはできても、移動は常に厳戒態勢で、実家に帰ったところで友人と会うことも、親戚に挨拶回りをすることもできなかった人がたくさんいました。2年間は新年らしい過ごし方ができなかったのです。

去年のこの時期は、今までの鬱憤を晴らすように消費する“报复性消费(報復性消費)”なんて言葉も使われておりました。みんな我慢していたものを解き放っていた時期とも言えるでしょう。

そんな中迎えた23年の春節は、こうした今までの思いや鬱憤がある意味爆発した春節だったのかも知れません。

maelific526

現在中国で日本語教師をしております。 日々の出来事、気になったことをなどを気楽に書いていきたいと思います。

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