ネット授業あれこれ④ テストの話

「考試」と「考査」

前回はネット授業ならでは難しい点について書きましたが、最後はテストの話です。

簡単に中国の大学のテストについて書きますと、「考試」と「考査」の二種類があり、全ての授業はこのどちらかに分けられます。

考試の授業は、授業期間終了後に別途設けられているテスト期間にテストをします。授業とは異なる時間、異なる教室で行われ、少なくとも二人は試験監督が付きます。試験問題も約二週間前の提出が義務付けられ、問題用紙の形式も決められています。

一方考査はそこまで厳格ではなく、テストをする場合は各自の判断で行います。通常は最後の週にテストをしています。試験方法や問題用紙についても制限はなく、自分のやりたいようにやることができます。会話の授業は基本的に全てこの形式です。

学生に「この授業は考試だよ」と伝えると「ええ…」という反応が多いあたりを見ると、考試の方が堅苦しく、少しやりにくいようです。

食堂入口に設置されていた消毒済マット。20年春から夏にかけてありました。

影響が大きかった会話系の授業

ネット授業でも、この区別がなくなることはありませんでした。昨年春はたまたま全て考査の授業だったので他の先生から聞いた話しかできませんが、どうやら考試はいつもどおり早目に問題用紙を提出させ、学習アプリなども使いながら考試よりも厳しく管理していたようです。

考試も通常時同様あまり制約はありませんでした。ただ、試験の方法は変えざるを得ませんでした。

特に会話系の授業はまともに影響を受けてしまいました。高級とビジネスの2つの会話をネットで教えましたが、どうしても一方通行になってしまい、学生に口を動かしてもらう時間や発音や会話を指導する時間を作ることができませんでした。高級会話はまだ会話方式のテストができましたが、ビジネス会話の授業は予定を変更して敬語や新しい表現などを確認する筆記テストにしました。

筆記試験では、ある科目で「持ち込み可」、中国で言うところの「開放式」の試験にしました。ネットの検索の速さや質にも日頃の勉強量が反映されるかと思い、今回始めて取り入れました。その代わり、あまり楽にならないように問題数を増やし、難易度も上げました。

筆記試験も一筋縄ではいかず…

テストで困ったのは解答用紙。ほとんどの人がスマホまたはパソコンの1画面でやることを考えると、いつものように配ってはい始めというわけには行きません。考えた揚句、解答用紙だけ前日にファイルをアップロードして各自対応を準備してもらいました。テストというのは全く同時刻に同じ空間でやるものですが、今回は条件がバラバラ。この違いを最小限にすることを念頭に置いたつもりですが、実際はどれくらいできていたのでしょうか。

試験終了については、最初は終わる時間だけ決めて「時間になったら出して」とだけ指示したところ、数分遅れて提出することが結構ありました。これまた人によって違いが出てしまうことが気になったので、翌日からは提出時間を「僕宛のチャットに投稿する時刻の○時×分まで、それ以降は分数だけ減点」のように具体的に決めました。これが日本人の性なのかも知れませんが、時間については差がつかないように細かく管理しました。

 

手探りで始まったネット授業でしたが、最後もやはりやりながら考える形になりました。今回やったことはきっと何らかの機会に役に立つことでしょう。ことテストについて言えば、学生をどこまで信じ、どこまで疑うかが問われていたのかなと考えています。正解のない問いですが、その起点がどこにあるかによって、テストのやり方が大きく変わるのは間違いないように思えます。

次回は同じテストでも学内ではなく、入試の話です。

maelific526

現在中国で日本語教師をしております。 日々の出来事、気になったことをなどを気楽に書いていきたいと思います。

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