ネット授業あれこれ③ ネットならではの難しさ

当初は三週間程度の予定だったネット授業は、結局学期末(20年6月)まで続きました。前回は対面式授業との共通点と相違点について書きましたが、今回はその難しかった点を書いていきます。

①学生が教科書を持っていない

誰もが学校に戻ってから普通に教科書を受け取る前提で帰省しており、冬休みに戻って来られないなんて誰一人想定していません。ネットで買うという選択肢もありそうでしたが、そもそも外出さえ難しい地方も少なくなかったので、ネットで教科書を買い、戸別配達してもらうところまで行けなかったようです。

教科書を持っていない以上、教材は全てこちらで用意するしかありません。恐らくほぼ全ての学生が、スマホやパソコンの画面のみで教材を見ていたはずです。手元の教科書を見ながら説明を読むためにパワポを見る形式ならまだ良かったのですが、やっぱり画面一枚ではどうしても限りがあります。

②相手が見えない

最大の違いは何と言ってもこれでしょう。対面式と違い、学生が何をしているか全くわかりません。ジョギングしながら聞いてても、料理をしながら聞いてても、いびきをかいて寝ていたとしても僕には知る術はありません。もっとも、何をしていようとしっかり聞き、質問に答え、理解してくれればいいと思っていたので、あまり授業態度は気にせずにやっておりました。

その反面、今まで以上に「見てもらう」「振り向かせる」ことを重視しました。対面式でも普段から気をつけていることではありますが、更に力を入れました。教室にいれば学生の様子は見えるし、学生もなんだかんだで授業に来ていることを意識してくれるのですが、ネットにはそれがありません。学生たちにとっては、座っていれば嫌でも教壇が目に入る状況ではないので、内容をしっかり噛み砕いて伝え、学生が参加する(せざるを得ない)要素を多めにして授業をしていました。

③平常点の評価が難しい

成績をつけるにあたり、テストの他に平常点を出します。うちの学校では、通常時の平常点の比率は30または40%なのですが、ネット授業期間は特例で平常点の比率を50%にするというお達しがありました。

これには戸惑いました。見えない以上、日々の努力や態度を評価するのは難しく、評価に差をつけるのが難しいからです。ネット上で授業にいることは簡単に確認できますが、スマホやパソコンの向こうでどうやって授業を聞いているのか全くわかりません。スマホで僕の授業を流しながら友達とチャットだってできるし、パソコンでゲームをやっている可能性だって十分あるわけです。

結局ネット授業の平常点向けで、当てた時のチャットでの反応を見る以外でできたことといえば、授業で聞き取った内容や、その日学んだことに関する意見をなどを提出してもらうくらいでした。それでも、対面式同様にチェックできたかというと怪しいと言わざるを得ません。個人的には、こういうときこそ勉強の差がはっきり出るので、テスト100%で決めるくらいでちょうどいいのではないかと思っていました。

20年春学期中の再開を前提に用意したと思われるマスク用ゴミ箱。結局日の目を見ることはありませんでした。

どれも今まで経験もなければ想定もなかったことです。それを準備もへったくれもない状態でやらざるを得なかったので、こういう問題に当たるのは仕方がないと思います。②③については今もそこまで効果的な解決策が思い浮かぶわけではありません。コロナをきっかけに授業のあり方が変わる可能性もあるし、自分なりのアイディアや答えをどこかで考えておいた方が良いのかも知れません。

次回はそのテストの話です。定期テストも一筋縄ではいきませんでした。

maelific526

現在中国で日本語教師をしております。 日々の出来事、気になったことをなどを気楽に書いていきたいと思います。

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